おやすみ、親愛なる雷龍
かつて雷龍の状況観測を担当していたあるテレビ局のスタッフが、激怒した雷龍をなだめようとして残した祈りの言葉。
おやすみ、親愛なる雷龍
楽園暦████████ 満願テレビスタッフケアシステム(Ver.β)稼働ログ
██:00 「楽園ニュース」再放送
██:06 テレビ局スタッフ「雷龍」の行動および願力の性質に異常を検知。既存のすべての記録と一致せず。
自動鎮静プロセスが起動。局内放送を通じて意思疎通を試みるも、有意な応答は得られず。プロセス1、無効。
██:07 幻造病症に関する記述の追跡を試行。その間、プロセス2を試行し、願力クッキーをエサ箱に投入。
██:12 クッキーは当該スタッフに無視される。プロセス2、無効。
██:13 スタッフの身体に痙攣が発生、極めて深刻な願力の波動を確認。
██:15 最終プロトコル「有人対応」を起動。本システムの開発者へ通知済み。以下、音声記録:
00:00:03 *楽園スラング*!外で何が起きてんだよ!?月もおかしいし、どのスクリーンにもデカいサイコロが映ってるし、世界の終わりか?
00:00:08 *咆哮*
00:00:09 雷龍兄貴?!あんた、まさかさっきの初どもを飲み…飲み込んだのか??
00:00:10 *意味不明な咆哮*
00:00:13 雷、雷兄貴、正気に戻ってくれ…
00:00:17 *雷鳴*
00:00:18 *岩石が砕ける音*
00:00:30 ハァ、ハァ、ハァッ!当たってない、まだ生きてる。い、いやだ、死にたくない。
00:00:35 まだ方法はある、そうだ、局長、局長が教えてくれたんだ。
00:00:41 言葉には、人の心を落ち着かせる力がある。俺がやるべきことは、そう、共感することだ。
00:00:47 「雷兄貴!!落ち着いてくれ!願力クッキーを持ってきたぞ!」
00:00:58 *咆哮、風の音と共に*
00:01:03 *楽園スラング*!完全に狂っちまってる!
00:01:10 「話を聞いてくれよ!雷兄貴!!」
00:01:16 「願力クッキーを持ってきたんだ!!雷兄貴!こんなことになって、今すごく不安なんだろ、わかる!」
00:01:25 「大丈夫、ここは安全だ!誰もあんたを傷つけようとなんてしてない!」
00:01:50 沈黙、風の音
00:01:58 き、効いたのか?雷が止んだ!
00:02:00 へっ!へへっ!やっぱり局長は正しかったんだ。助かった!助かったぞ!
00:02:06 雷、雷兄貴、治安局も絶対に動いてるし、星穹列車の英雄たちだっている。あいつらがきっとなんとかしてくれる!大丈夫だ!
00:02:16 *沈黙、低い呼吸音と共に*
00:02:20 む、無視してもいい、あんたが落ち着いてくれれば、落ち着いてくれればそれでいいんだ。
00:02:25 安心しろよ、雷兄貴。満願局長が言ってたじゃないか、心から信じてさえいれば、
00:02:29 俺たちはみんな、ぜ、絶対に「幸福」になれるって…
00:02:30 *荒々しい咆哮*
00:02:31 *雷鳴*
00:02:32 な、なんだ?雷兄…
00:02:32 *爆裂音*
開発者デバイスからメインサーバーへの通電を確認。想定されるリスクを回避するため、システムは一時安全モードへ移行。
記録終了