幽霊行動規制法
超常現象管理局が発布した『幽霊行動規制法』。幽霊の日常における行動を取り締まるために用いられている。

幽霊行動規制法

第1章 総則

第1条 この法律は、霊類保護法(第5版)に基づき、社会の調和及び安定を促進し、幻造種「幽霊」の日常における行動規定を示し、市民の正当な権利、利益及び公共の安全を確保することを目的とする。

第2条 この法律は、本市の行政区域内に居住、又は活動するすべての幽霊に限り適用する。

第3条 幽霊は、社会の構成員として、法令の定める各種の権利を享有する。同時に、法令を遵守し、公序良俗を尊重し、公共の利益及び個人の正当な権利、利益を損なってはならない。


第2章 行動規範

第4条 移動

幽霊は、市内を移動するに当たり、公共の通路(出入口、廊下等)を優先して利用するよう努めなければならない。次の状況では、みだりに壁その他の物理的障害物を透過してはならない。
1、歩行者、特に子供、高齢者、心疾患患者を驚かせるおそれがあるとき。
2、他人の住居、更衣室、浴室、トイレ、その他プライバシーに関わる場所を通過するおそれがあるとき。
3、医療機関の集中治療室、金融機関の金庫、データセンター、その他重要区域の正常な稼働を妨げるおそれがあるとき。
4、走行中の車両、その他交通機関を通過することで、運転者を驚かせ、交通の危険又は事故を引き起こすおそれがあるとき。

第5条 公共の秩序

幽霊は、商業施設、図書館、公共交通機関を含むその他の公共の場所において、公共の秩序の混乱を招くことのないよう、できる限り形態を安定させて可視状態を保持するよう努めなければならない。また、正当な理由なく、断続的な出没、過度な高所の浮遊、異常な音の発生をしてはならない。

自身の物理的特性を利用した覗き見、盗み聞き、いたずら(スクリーンや壁、地面から突然飛び出す、許可なく他の生物の身体を通り抜けるなど)その他これに類する行為によって、人及び幻造種の権利の侵害及び公の秩序の攪乱をしてはならない。

第6条 公共の環境

幽霊は、人が密集する屋内の公共施設に立ち入る際、人及び幻造種に体感上の不快を生じさせないよう、自らの温度の調整、又は適切な距離の保持等の配慮を行うよう努めなければならない。

第3章 管理と義務

第7条 身分登録

常駐する幽霊はすべて、超常現象管理局に登録され、管理及び社会的識別のための識別コードを交付されなければならない。

第8条 特別許可

公務の執行(抜き打ち検査、その他これに類するもの)により、壁やその他の物理的障害物を頻繁に透過する等、特別な行為を行う必要がある幽霊は、当局に対し、当該行為について特別許可の申請をしなければならない。

第9条 市民の義務

当局は、幽霊が自らの安全を確保し、かつこの法律に違反しない範囲で、その特性を活用して社会に貢献することを奨励する。行方不明者の捜索及び救助への参加、公共施設における内部故障点検への協力、その他これに類する活動がこれに含まれる。

第4章 罰則

10 この法律に違反した幽霊に対しては、超常現象管理局がその内容に応じて警告、公共道徳講習への強制参加、地域奉仕活動への参加などの罰則を科す。人身への被害又は財産上の損害を生じさせた場合は、関係法令に基づき相応の法的責任を負わなければならない。

第5章 附則

11 この法律の解釈権は、二相楽園超常現象管理局にあるものとする。

13 この法律は公布日から施行される。