結縄学派の募集要項
神悟の樹庭の結縄学派が少し前に制定した新しい学生募集要項。結縄学派はこれらの募集要項がかなり初歩的で達成しやすいと思っているようだ。
結縄学派の募集要項
一、結縄学派は、充実した学理基盤を持ち、厳格な演繹法を用いて万物の関係を研究し、万物の数量・構造・存在する空間と変化の関係の推量に力を注ぐ研究者の育成を理念としています。
二、神悟の樹庭で最も長い歴史を持つ学派である結縄学派では、人類が数千年に渡ってまとめてきた大切な真理を学ぶことができます。これらの知識は少量かつ必要な基本設定から始め、徹底的なトートロジーにより、誤った理論を生じうる
「言わずもがな」説をすべて排除しています。
三、よって本学派は日常生活においてタイタンを崇敬し、オンパロスのすべての世俗的な道徳を尊重するが、学理上では厳密でない方式でそれらを討論することを許しません。口だけの議論をし、学術の研究に就かない学者は、退学勧告が課されます。
四、本学派は数学を学派の理論の柱としてとらえ、数学こそこの世界に存在するすべての関係を、絶対的厳密な方法で研究する学問だと考えています。この理念に同感する先人、同学、後輩たちの加盟を歓迎します。
五、本学派の加入に当たって、形式的な考査は一切設けませんが、互いの労力を節約するため、以下の問題を回答できるだけの能力を有してから連絡することをお勧めします。
1.他の学理はどれも「知識」としか呼ばれないことに対して、数学の結論は「真理」と呼べることができるのはなぜか。
2.タイタンのような崇高な存在でも、数学の法則には従わなければならないのはなぜか。
3.もしこの世界に基礎言語が存在するならば、それは必然的に数学になるのはなぜか。
4.タイタンの権能は常に変更可能なのに、数学の結論に変わること絶対にないのはなぜか。
5.数字だけでなく、無限(極大、極小、極遠などを含む)も数学研究の対象となりうるのはなぜか。
6.絶対的客観に見える数学が、タイタンと人類の主観的意志の創造物であり、その主観的意志から離れると存在できなくなるのはなぜか。
7.(6)と(1)は矛盾しないのはなぜか。
8.「1+1=2」は一言だけで証明できるのはなぜか。
9.30秒以内に、暗算で任意の二桁整数の平方を求め、正しい答えを出してください。
六、本学派への加入を希望する方は、賢人アプレイウスの首席秘書であるニコマコスに連絡してください。(※:ニコマコスの仕事時間は毎週月曜日から金曜日の明晰の刻で、他の時間はプライベートの時間になるため、仕事時間中にお願いします。)