ヤヌサポリス祭祀教本
ヤヌサポリスに世代を超えて伝承される典籍には、祭祀儀式の流れと心得が記載されている。
ヤヌサポリス祭祀教本
前書き
この本は三相の神託の手引きである。
ヤーヌスが我々に道路を与え、
タレンタムが我々に公正を与え、
オロニクスが我々に啓示を与え賜らんことを願う。
第一章:祭祀の順番
【晨祭(門の刻)】
1、神殿の大門が開かれる時、必ず先にヤーヌスに祈りを捧げなければならない
2、運命の三相の象徴として、3つの長明灯を灯す
3、神殿の地面を掃除し、供物を取り替える
【昼祭(明晰の刻)】
1、『三相賛歌』を朗読する
2、問者を迎え入れ、その求問を記録する
3、供物を準備する
【夕祭(離愁の刻)】
1、香を焚き祭壇を浄化する
2、当日の供物を献上する
3、訓示を朗読する
第二章:供物の捧げ方
【基本原則】
タレンタムの訓示を遵守し、求めるものと同じ重さのものを捧げる。これは天秤が定めた法であり、破ってはいけない。
【よくある供物及びその象徴】
1、テミス:運命の分岐点の象徴
2、水晶:預言の明朗さの象徴
3、ハチミツ:言葉の甘美さの象徴
4、布帛:オロニクスの帳の象徴
5、鏡:ヤーヌスの二面の象徴
6、天秤:タレンタムの公正さの象徴
備考:必ず純粋で、形が完璧な供物を献上しなければならない。
【禁止事項】
1、縁起の悪いものを献上してはならない
2、他人のものを献上してはならない
3、門の刻に献上してはならない
第三章:祈祷文
【晨祭祈祷文】
万路の主よ、道を開けよ。公正の君よ、均衡を裁けよ。永夜の魂、知性を我に与えよ。今我は門を叩き、謁見を求める。今我は供犠し、未来の行方を問う。今我は礼拝をし、導きを求めんとす。
【求問祈祷文】
今生は葉の如く、定めなく揺れる。運命三相、示す方向は何処なり?ヤーヌスの叡智で我の行く道を開き、タレンタムの公正で我の行く道を正し、オロニクスの帳で、我に真知を示したまえ。
【感謝祈祷文】
運命三相の傾聴、神々より訓示を賜ったことに感謝を捧げる。長明灯が消えぬことを、聖言が永遠にあられることを願う。
第四章:預言を賜る手順
【準備】
1、聖女は必ず身体を洗い清めなければならない
2、白い礼装を着て、銀のお面を被る
3、手にヤーヌスの両面杖を持つ
4、三色の聖火を灯す
【預言の流れ】
1、まず助祭より香を焚き、聖女の道を導く
2、聖女が運命の座に座る
3、問者が供物を置く
4、聖女が啓示の詞を朗誦する
5、運命が姿を現した後、そのお告げを読み上げる
【預言の記録】
1、すべての預言は必ず特製のパピュロスの巻物に記録をしなければならない
2、文字は銀粉を用いて墨を作らなければならない
3、3名の立会人の署名が必須である
4、この巻物を預言室の密室に保存する
第五章:特別な儀式
【新月の祭典】
毎月初め、新月の祭典を行う。祭典に際して:
1、三相殿の全ての扉を開放する
2、運命の輪の象徴として、十二の鏡を置く
3、聖女が民衆を連れて3周練り歩く
4、『運命の長曲』を朗誦する
【ヤーヌスの啓示を乞う儀式】
重要な問いのために設ける:
1、ヤーヌスの法陣を設置
2、聖女が呪文で門と道を開く
3、両面鏡を入れる
4、鏡に映るものを解読する
5、啓示の内容を記録する
後書き
この本は歴代の聖女が修正を重ねたものだ。書かれたものを遵守すれば、真知を得られる。破った者は運命の叱責を負うことになる。