ようこそ■■■■へ
怪しいカセットテープ。恐ろしい悪夢。

ようこそ■■■■へ

(途切れ途切れの奇妙な録音テープ。語り手の声はまるで金属同士が擦れた時に立てる鋭い音のようで、悪意と嘲笑に満ちている)

…ジジッ…ハハッ…ドカーン!

お客様、ドリームボーダーへようこそ。僕は…ジジッ…ガイドの…クロックボーイだよ!

楽しい旅にするために、観光中は絶対に次のことを守ってね!

まずは…ジ…ジッ…ここの名物――夢境の蜃気楼だ!

…ジジジッ…揺れ動く巨大な建物は風景でもあり、この土地ならではの生態系でもある…ジジッ…知覚生命体は観光客からの接触に反応を示すんだ。だから勝手に触ったり、落書きしたり、悪意を持って壊したりしないでね。

地面や建物が激しく揺れ始めても慌てないで。ほとんどは蜃気楼の周期的な活動か、一部の観光客が接触しちゃったことが原因の現象で、普通はそんなに長く続かないから。

気に入った建物があれば、中を好きに見てもいいよ。別でチケットを購入する必要はないから安心して。でも、最高の観光を楽しむチャンスは一度きりだから、建物は慎重に選んでね。

…ジジッ…キャーッ…クチャクチャ…ゴクッ…ピーッ!……

広場にはスラーダや、キッチンカーのU…ジジッ…バーガー、クロックピザ、ポ…ジッ…コーン…ジジジッ…なんかがたくさんある。どれもユニークな味で栄養満点!食べると健康になって、元気が湧いてくるよ。

今挙げた食べ物や飲み物は全部、観光客に無料で提供されてるから、欲しかったら自分で取りに行ってね。ただし、くれぐれも地元の住人や他の生き物を食べちゃダメだよ!

…ジッ…ジッ…ジッ…ベト…ネチャッ……最高のサービスを提供するよ!次は、今一番人気の観光スポットを紹介するね。

スラーダハッピーショー――「スウィート・ドリーム劇団」と一緒に踊ろう!頭をカラッポにして、ストレスから解放された状態で君の熱い血潮をふり撒いて!

折り紙の小鳥――働き者の鳥たちは、毎日町を彷徨いながら、自分の体に空いた「埋める術のない穴」を埋めるための心の材料を探している。でも、蜃気楼たちはケチで、地元の人も助けてくれないんだ。じゃあ、親切な観光客ならどうだろう。助けてくれるかな?

さあ、この素晴らしい音楽に身も心も溶け込ませよう!弦の上で気ままに揺蕩い、金管のピストンに合わせて上下に舞い、鍵盤とマレットが奏でるリズムを感じよう…[ノイズ]…永遠の楽曲の中で、永遠の喜びを楽しもう!魂がこの世界とひとつになるまで!

…ジジッ…キャハハ…ワァー!…ジッ…ジジッ……

――ゴトンッ!