羅浮司鼎上六御書
羅浮の新任丹鼎司司鼎が提出した公文書

羅浮司鼎上六御書

この書簡を以て、丹鼎司の最近の改革と計画について報告いたします。

丹枢の乱以降、羅浮丹鼎司の評判は失墜し、人々は動揺して、外部からも非難の声が多くあがっています。私は羅浮の司鼎として、丹鼎司を導いて苦境から脱するため、3つの措置を講じたいと思います。

1つ目、これまでの羅浮丹鼎司の閉鎖的な体制が腐敗を招いたと考えられるため、門戸を開放し、同盟や殊俗の民の著名な医士を招いて交流を行います。また、司内の医士と丹士が外で学ぶことを奨励し、診療手段を多様なものにします。

2つ目、朱明仙舟の行香術を導入、ならびに伝授し、羅浮丹鼎司の治療手段の1つとします。豊穣の忌み物と戦う前線の兵士は、戦争の傷による影響を受けやすく、戦時、および戦後に「魔陰の身」に堕ちる割合が一般人よりも高いです。「薬王秘伝」も当該集団を誘惑の対象としています。朱明の治療法は揮発性のある薬で患者の気持ちを落ち着かせ、身体の状態を整えることを重視しており、「魔陰の身」の進行の遅延、抑制に顕著な効果があります。

また、丹鼎司に特別研究チームを設立して薫香療法の構造を深く分析し、羅浮の医術と融合させ、調合および操作手順を改善することで、安全かつ効果的なものにします。今後、丹士を前線に派遣して雲騎軍の負傷者を救助し、前線に薬品提供、ならびに医療研修を施し、丹鼎司に対する人々の偏見を改善します。

3つ目、丹鼎司は他の部署との連携を強化し、各司に職員を派遣して業務を支援し、互いに補完します。
具体的に、天舶司への支援に関しては、域外からの旅行者に多い疾患に関する医療研修を行います。
地衡司の支援に関しては、各洞天の住民を対象とした対面診療を実施し、医療の負担を軽減します。

以上の措置を以て、丹鼎司を他の各司と協力させ、羅浮全体の信頼を取り戻せるようにしたいと考えております。

敬具

丹鼎司司鼎 霊砂