無効になった質札
ジェイドの未完了の取引が記録されている。

無効になった質札

彼はまた戻ってくる。私には分かる。

私、フランシス7世は、代々伝わるイモリの紋章に誓う。私が統治する領土の……3分の1が本日以降、目の前にいる女性のものとなる。
このため、彼女の手によって700年ぶりにこの地は再び一つに統合され、両国間の宿命のごとき憎しみも終わるだろう。なにがあろうとも、このためにはいかなる代償も惜しまない――たとえ私の持つ姓であっても。彼女の「栄光」は何にも勝る。
少し訂正しよう。カンパニーは当然この程度の干渉などしないし、ましてや暴力で作りだした独裁を支持することもない。国王としての誇張した表現を抜きにして、今起こっていることは、より文明的な人々と協力し……不合理な敵意を終わらせるにすぎないのだ。

私、フランシス7世は、代々伝わるイモリの紋章に誓う。私は自らの自由通行の勅令を捨て、目の前の女性に引き渡す。
このため、彼女の手によって天災は終わり、残りわずかだが、私の領民は……より明るい場所へと行けるようになるだろう。

私は代々伝わるイモリの紋章に誓う。私のためにその荷物を取り戻してもらいたい。私は自分の仕事が気になっているのではない。しかし、私の家族は……彼らは私の収穫を必要としている。
彼らは……私の帰りを待っている。しかし、手ぶらでは帰れない。そのため、私はいかなる代償も惜しまない。

今、代償が何か分かった。私はイモリの紋章を質入れする。それが作られたときから、家族は「肌身離さず持ち歩くように。太陽はいずれ昇る」と言った。
それには意味があるかもしれないし、ないかもしれない。しかし、もはやどうでもいい。どうか私の唯一の家族を助けてほしい。

彼はまた戻ってくる。私には分かる。
そう、カンパニーの人であっても、彼らの目には私がますますあくどい人間に映るだろう。しかし、あなたも信じるかもしれないが……どの取引でも、もしあなたがその場にいてすべてを止めようとしたら、この哀れな人間に何も顧みることなく攻撃されたかもしれない。
彼は死もいとわずに迫るだろう――彼の死であろうと、あなたの死であろうと。
人々は手に入らないものの価値を判断するとき、理不尽なシステムを採用し、そのために損をしても構わないと考える。そうだ。私の結末は永遠に訪れないだろう。
しかし、彼は何も間違っていない。ただ、分からなかっただけだ……
すべてを思い通りにすることはできない。これは造物主ができる限りの範囲で与えてくれる……最も価値のある慈悲なのだ。
1人の物乞いがここから追い出されたようだ……彼は私を見ていたのだろうか?