ファイノンが残したメッセージ
ぼくの仲間、戦友、そして天外から来たナナシビト——僕の心の中の英雄へ。

ファイノンが残したメッセージ

「ここにいるのがメデイモスだったら、彼なら僕よりもずっと深く考え、よりうまくできただろう?」

——アグライアが去った後、この言葉がずっと頭の中で響いている。それは僕がどうしても振り切れず、口に出すこともできない言葉だ。

僕は、仲間や戦友たちの信頼にふさわしくない。彼女が切り拓いた道に向かって、皆を導く資格もない——さっきの一連の疑問に、僕は結局答えを見つけることはできなかった。しかし、もう迷っている時間はない。「ヘリオス」が今切り落とさなければならない最初の敵は、今まで僕と共に歩んできた憂いと迷いだ。

だからこそ、僕は君たちを送り返すと決意した。理解されなくても、僕の意志を君たちに押し付けたとしても、僕はやらなければならない。「再創世」の約束は曖昧で、オンパロスの外から来た君たちにとって、その影響は予測できない——迷いを捨てた今、これこそが僕の心の底から決めた、正しい選択だ。

預言によれば、「再創世」の終点に辿り着けるのは一人だけ。奇跡を見届ける機会を奪ってしまってすまないね、相棒。だけど、トリビー先生の神託が黄金裔を今日まで導いてくれたこそ…預言の光景を直視しなければならないし、君を危険な目に遭わせるわけにはいかない。

思い返せば、僕が今まで下した最も正しい決断は、君たちを信じて、仲間になったことだろう。オンパロスにおける最大の奇跡は、創世の渦心の星空に隠された秘密ではなく…君と丹恒が天の向こうから降りた瞬間にあるかもしれない。

君は僕の英雄だ、開拓者。もし来世が約束通り訪れるのなら、僕がどんな姿になっていても——必ず世界に「開拓」という名の奇跡を覚えさせよう。

しかし、万が一……君が僕の一方的な決定や計画に不満を感じ、自分で新しい道を切り拓き、誰もが想像したことのない未来を作ろうと思ったら——

——君はいつも、ルールを破る方法を見つけてきたんだろう?