牽石学派の新人用鍛錬指南書
神悟の樹庭の牽石学派が新参者のために制定した鍛錬の指南書らしい。
牽石学派の新人用鍛錬指南書
知識を重視するあまり身体の健康を軽視するのは、最上のインクで一番粗悪な紙に字を書くのと一緒である。
1.門の刻
目が覚めてもすぐには起き上がらず、ベッドの上で軽くストレッチをして、血行を促進させる。起床後、まずは冷水で顔を洗い、祈りを捧げ、思考訓練をしてから、最初の食事を食べる(腹7分目の量)。一般的な常識とは違い、起きてから食事までの時間は抽象的な思考を行うのに最も適している。激しい運動は避けるべき。
2.明晰の刻
1日の中で一番能弁になる、かつ弁論するのに頭が一番回る時間帯。学者として積極的に学術イベントや課題討論に参加すべきである(しかし長時間座りっぱなしや立ちっぱなしは禁物である。立ったり座ったりを好きなように繰り返すのが最良)。この時間帯に人を集めて、鍛錬(もしくは娯楽)として奇獣ボール、スマッシュボール、スティックボールなどのチームスポーツを息抜きにやるのも良し。
3.践行の刻
践行の刻になると、頭の中のひらめきが枯渇し始める。そろそろエネルギーを補充して、身体を動かす時間だ。二回目の食事を終えた後、20から30分ほど休み、ジョギングを始める(しっかりとストレッチをしてから始めよう)。泳げる人はジョギングの代わりに泳ぐのもよし。水泳は関節へのダメージを最小限に抑えることができる運動だ。(※損傷を気にしてジョギングを諦めてはならない。ジョギングは水泳の次に良い鍛錬方法だ。関節の損傷を言い訳にジョギングを拒否するのは頂けない)。
ジョギング、あるいは水泳をどれくらいやるのかは決まった基準はないが、継続するのが難しくなり、休憩が必要になった時は5分だけ休み、また新しいセットを行うことをおすすめする(※休み時間が長すぎてはならない)。全体的の鍛錬時間は、1時間以内が理想的だ。もし他に鍛錬の代わりになるような労働がある場合(荷物の配達など)、適度に労働をするのもまた良い選択である。
もし践行の刻に、実験や特殊訓練に参加、社交活動やプライベートの娯楽に参加するなどの計画がなければ、前述の心肺を鍛える運動が終了した後に、筋肉の鍛錬を行ういといい。自身の筋肉の瞬発力が退化しないように保つために、この鍛錬は毎週2から4回が理想的だ。また、前述したそれぞれチームスポーツに参加するのもまた良い選択である。
4.離愁の刻
践行の刻の厳しいトレーニングを経て、今は三回目の食事をとる絶好の時間帯だ。毎日最後の食事を、決して隠匿の刻まで引き延ばすわけにはいかない!遅すぎる食事は身体に重い負担をかけ、全てのトレーニングの効果を半減してしまうからだ。
三回目の食事の後、践行の刻に既に激しい運動をした場合、プライベートの娯楽時間にしても良い。そうでない場合は、この時間帯で必要分のトレーニング項目を行う必要がある(心肺機能向上系など)。
鍛錬において大切なのは、諦めないことだ——完璧なスケジュールを立て、尚且つ何の影響も受けずに遂行できる人はいないし、人間なら誰しも「怠惰」な一面があるから、避けることのできないネガティブ要素との共存が大事だ。スケジュールに間に合えず鍛錬できなかったからといって、全てを諦めず、全ての鍛錬を毎日の最後まで伸ばすのは頂けない。経験から言うと、一緒に鍛錬してくれるパートナーをできれば、良い習慣を身に着けやすい——そしてパートナーができると、ソロより魅力的なチームトレーニングにも参加できるようになる。
要するに…鍛錬に参加する時は、友人作りも心掛けるべきである!
5.隠匿の刻
睡眠時間だ。この時間で睡眠以外のことを考えるのは頂けない。夜更かしは、今までの鍛錬の効果を大幅に落とし、翌日の生活にもいろんなリスクや負担をきたすことになるため、徹夜を禁止することを念頭に置くべき。
どうしても徹夜しなければならない場合は——早起きより睡眠時間の確保を第一にするといい。