スクリューガムからのメッセージ
スクリュー星の貴族が下層部の守護者に残したメッセージ。ヤリーロ-VIのロボットが「ケイ素生命体」へと進化する可能性を探求している。

スクリューガムからのメッセージ

ヤリーロ-VIのスヴァローグ殿へ

私の名前はスクリューガムと申します。貴方がいらっしゃる星から遠く離れたスクリュー星の出身です。この遠隔メッセージは私の思いつきで送らせていただいております。不躾かもしれませんが、どうかご容赦ください。

私はスターピースネットワークのライブ配信サービスを通じて、今回の「星間決勝フェスティバル」を観戦しました。誤解しないでいただきたいのですが、エーテル戦線というゲーム自体はあまり面白いと思いません。星核ハンターの旧友にしつこく誘われなければ、貴重な時間を観戦に使うこともなかったことでしょう。しかし、今回の観戦は私に想定外の喜びをもたらしてくれました――ヤリーロ-VIという惑星に関心を抱かせてくれたのです。正確に言えば、その観戦によって私は、貴方の星の「ケイ素生命体」の萌芽とも言える兆しに注目したのです。

ほとんどの文明において、ケイ素構造は工具としてのみ存在しています。貴方のいらっしゃる世界でも、現地住民はその考えに同意してくれることでしょう。しかしながら、銀河には「生体」と定義できるケイ素構造も確かに存在しているのです。そして少数の文明は、そうした「ケイ素生命体」によって構築され、支配されています。私の故郷であるスクリュー星もその1つです。

はたしてどのような奇跡の洗礼を受ければ、ケイ素構造体が「生命」としての進化の火を燃やせるのか――これは私が長年に渡って研究してきた課題の1つです。そして今、ヤリーロ-VIという星では、何らかの変化が起きています。その変化はゆっくりでありつつも、美しいものです。私は楽しみにしております。いつの日か、小さな進化の火が燎原の勢いで集結し、私と貴方が「兄弟」と呼び合えるその時を。

謙虚な「天才」の友人、
スクリューガム