折り紙大学の学生処分記録(3)
過去の学生の非行とそれに対する処分結果を記録したもの。現在では学生を処罰するときの重要な参考資料となっている。
折り紙大学の学生処分記録(3)
大学歴██年
処罰対象者:
ドリームメイク学部 スフェロイドチーム全員
事件概要:
フクロウの怖い人形を学内スフェロイドレース決勝の日に会場に持ち込んだ。人形が故障して走り回り、その過程で3名の無関係な学生が負傷した。事件後、学生はグラークス学長に似た人形がチームに幸運をもたらせると信じていたと供述。
処罰結果:
この行為はスフェロイドレース会場管理条例に違反しているが、学生が学長を敬愛していることに鑑み、処罰内容はドリームメイク学部のレース出場禁止(1年間)とし、今後大学史教育を受けるものとする。
大学歴██年
処罰対象者:
ハーモニー学部 2年 ヘリオ
事件概要:
学内中央広場にて「決戦-折紙の頂」と銘打ち、他学部の学生にダンスバトルを挑んだ。その後、事態は制御不能になり、学部間の集団乱闘に発展、最終的に複数の学生が精神的ダメージを受けた。
処罰結果:
これは建学以来4回目の集団乱闘事件であるが、学生たちのダンスの動きが優れていることに鑑み、処罰を軽くする。処罰内容は集団乱闘に参加した全員が和解のための抱擁をし(半システム時間)、半年間の奉仕活動を行うものとする。
大学歴██年
処罰対象者:
ウェルス学部 2年 カーメン
事件概要:
学外の窃盗団を雇い、ドリームメイク学部に潜入させて研究に使用する濃縮憶質を盗ませた。盗んだ量が多く、現在も一部の憶質が回収できていない。これまでのところ、公共の安全を脅かす事件は確認されていない。
処罰結果:
「ピノコニー公共安全法」により、憶質はその██の特殊性により規制物質に指定されており、許可なく所持することは禁止されている。その悪質性の高さに鑑み、当該学生を退学処分とする。
大学歴██年
処罰対象者:
ハーモニー学部 1年 ウッディ
事件概要:
大量のミニ真蟄虫模型を作成し、浮遊バルーンに詰め、ピンボールマシンを用いてドリームメイク学部の上空に発射ならびに爆発させたが、方向制御を誤り、真蟄虫模型はすべてハーモニー学部内に落下した。数が非常に多かったため、現在も清掃が完了しておらず、時折、草むらや建物の間に残された真蟄虫模型が見つかる。
処罰結果:
ピンボールマシンを無断で使用し、手製の品を利用してキャンパス内を混乱させる事件を引き起こし、虫嫌いの数名の学生がその場で失神するに至った。しかしながら、真蟄虫模型が精巧に作られていたことに鑑み、処罰を軽くする。処罰内容は、全学の学生および教員に折り紙の小鳥を1羽ずつ作成し、ならびに中央広場で謝罪文を大声で朗読するものとする。
大学歴██年
処罰対象者:
ウェルス学部 3年 ダートン
事件概要:
ウェルス学部3年の学生ダートンは、新聞や雑誌の販売部数を増やすため、『折り紙ウェルスデイリー』にハーモニー学部やドリームメイク学部の学生を侮辱する写真を掲載し、事実に反するデマを捏造した。刊行物の販売部数はトップになり、悪影響を及ぼした。
処罰結果:
経済的利益のため、公式に認められた刊行物で侮辱的な言論を捏造し、未確認のデマを流したことにより、学生間、学部間の対立を引き起こした。その影響が広範囲に及んでおり、かつ悪質であることに鑑み、当該学生を退学処分とする。