17号林「栽培林」本日の源究記録
乱破の記憶の中で発見した「人類退化実験」に関する記録。
17号林「栽培林」・源究記録
送信者:17号林「栽培林」モンキー長
受信者:源究の森 森林警備モンキー
1課の記録
実験の方向性:霊能亜種の栽培の方向性について
実験進行度:100%
実験状況:
成功。
30名の実験体の霊能波探知能力は脳量が340g程度に退行すると消失した。実験では、現代のディバロン人「バナ材」の触手をモンキー化した霊能亜種に移植し、霊能亜種が霊能波を操る能力を種の進化段階で3段階進化させた。
今後の実験の方向性としては、実験体を極度の高温環境に置き、成長を加速させる薬物と人工繁殖を通じて急速な進化を促す。完成品は戦闘モンキー部隊に投入し、将来の火山の星の「バナ材」収集作戦に用いる予定である。
2課の記録
実験の方向性:(遠足林との合同プロジェクト)超速進化薬品の配合開発
実験進行度:99%
実験状況:
進行中。
現在、薬品の効果は当初の想定通りとなっており、服用後のチンパンジー個体は3時間以内にヒトに似た外形に成長し、14歳程度のヒトの知能を持つ。共感覚ビーコンと電撃首輪によって、低知能の霊長類に比較的複雑な作業を行わせることができる。
成人のヒトの実験においては、ヒト個体によって異なる進化反応を示し、ほとんどの個体は肉体的素質、筋肉密度、知能レベルが短期間で大幅に向上したものの、少数の個体は反対に肉体が深刻なレベルで退化した。原因は不明。
50gを超える薬品を連続で服用した場合、死亡率は100%に達した。そのため、既知の種の進化限界を突破する可能性については検証できなかった。
現在、最終テストには約100名の長命種の「バナ材」が不足しており、「採集林」に戦闘モンキー部隊の派遣ならびに収集を依頼している。
3課の記録
実験の方向性:真獣亜綱の遺伝子の知能上限テスト
実験進行度:100%
実験状況:
失敗。
実験では認知アンカーによって健康なヒトの「バナ材」を真獣亜綱生物に退化させ、記憶と知能の状態を維持することを試みた。
50回の実験で32例が直ちに死亡し、11例が記憶と知能を保てず、7例が少量の記憶を保った。
原始博士の直接指示があるまで、真主齧上目以外の実験の試みは禁止されている。バナナを踏み外すことなく、慎重に進めなければならない。
……
33課の記録
実験の方向性:(第3次栽培)超人科製造計画
実験進行度:15%
実験状況:
進行中。
実験個体「AK-A-3」の発育状況は非常に良好である。視神経反応速度は3210倍、聴覚神経反応速度は1305倍、視力は908倍、聴力は21358倍、骨格硬度は733倍、筋肉強度は3596倍となっている。
現在の育成計画では、毎日「遠足林」製の73種類の遺伝子薬物を服用し、レベル9の虚数電気刺激を15分間与え、1回のレベルⅣストレステスト(未クリア)を実施している。
今後の実験強度は、実験林のある惑星の1日を基準として段階的に増加させる。研究モンキーは実験体の精神状態に特に注意を払い、前回と同じ失敗バナナを繰り返さないよう注意する必要がある。