ロビンからの手紙
なし

ロビンからの手紙

親愛なる兄様へ

最近は元気にしている?戻ってきたらすぐに会うために朝露の館に行こうと思っていたけど、調和セレモニーを間近に控えた兄さんが忙しそうにしているのを見て、迷惑をかけたくないからやめておいたわ。でも、急ぎの事情があって、すぐに話さないといけないことがあるのよ。

ピノコニーに戻ってから、私の声に異常が出始めたの。はじめは、過労か病気のせいかと思っていたけれど、お医者様に診てもらったら、体はとても健康で、何の異常もないそうよ。私の推測は否定されてしまったの。その上、時間が経つにつれて、声の問題はますます深刻になって、時々声が出なくなるほどだった。

そこで、私は自分でいろいろと調べてみたの(もちろん、リハーサルの時間外でね)。そしてついに、あることに気づいたのよ。ピノコニーの「調和」は純粋ではないわ。中に混ざったわずかなノイズが、私の「調和」の歌声にも影響を与えている――私が声を出せなくなった根本的な要因はそこにある。

これほどに干渉してくるような異物は、外部から来た極めて強力な何かか、あるいはファミリー内で重要な地位にいるのか、そのどちらかだとすぐに理解できた。残念ながら、さらに詳しく調べてみた結果、後者であることが判明したの。

これは非常に危険な兆候よ。ピノコニーの分家に裏切り者が現れた上に、その人物は四大当主の一人である可能性が極めて高いの(私たちの約束があるから、兄さんのことは疑っていないわ)。そして、調和セレモニーが目前に迫っている中、その人物は調和セレモニーの進行を妨げ、さらにはセレモニー自体を利用して、何かをしようとしている。とにかく、他の当主の最近の動きに注意した方がいい。でも、兄さんもくれぐれも気を付けて。兄さんは私にとって、唯一の家族だから。

加えてもう一つ、注目すべきことがあるの。調査中に、記憶域ミーム「死」のことを知ったのよ。その後の調査で、一連の事件を引き起こすよう指示した黒幕が、ファミリーの裏切り者と同一人物である可能性が高いと分かったの。私はすでにより一歩近づいた手がかりを掴んでいて、確かめに向かう準備をしているところよ。でも、兄さんは調和セレモニーの準備に専念して、心配しないでね。「死」のことを徹底的に調査したら会いに行くから。それほど時間はかからないはずよ。

仕事で忙しいと思うけど、暇を見つけて体を労わってね。ずっと夢の中にいないで、現実の世界も歩いてみて。それから、他の星系のお土産をいくつか持ってきたわ。モーリレンスの巨大な恐竜鳥のプリンタルト、アコニア科の野イチゴ(このイチゴは大きくて甘いから、きっと気に入ると思うわ)、メディチのアーモンドプロテインバタークリスプよ。絶対に食べてね!

シぺが私たちと共にあらんことを!

あなたの妹
ロビンより