オーディションにおける違反事例集
過去のセレモニーオーディションの違反例が記録されている。参加者たちはこれを戒めとするように。

オーディションにおける違反事例集

オーディションでは毎回数多くの違反行為が発生することを踏まえ、大会の流れを規範化し、出場者と観客の体験を保護するため、いくつかの悪質な禁止行為の事例を挙げ、警告とする。

1. アイサ殴り合い事件。

20回セレモニーオーディションで、パフォーマンス中に審査員から暴言を浴びせられたアイサ選手が、ステージから降りて審査員と殴り合いを始めた。殴り合いの最中、アイサは彼のパフォーマンスで披露した特技——声真似を使い、審査員の声を真似して他の出場者たちを挑発する。その後、10人近くの怒った出場者が一斉にステージに上がり、それぞれが自分の特技を披露した。その影響は近隣の会場にまで及んだ。

混乱は半システム時間続き、止めに来たハウンドのうち3人が程度の差こそあれ負傷した。

大会中、審査員が不適切な行為を行った場合、自分で問題を解決しようとせず、ただちに主催者に報告すること。

2. トウファ家事件。

第6回セレモニーオーディションで、氏名不詳の選手が当時のアイリス家の当主、フレーに変装し、オーディションのライブ配信中に「トウファ家に改名する」「トウファが好きじゃないヤツはセンスがない」「私がトウファ」といった発言をし、ファミリーのイメージを著しく損なう行動をした。

変装した選手は、ハウンドが駆けつける前に会場を離れていた。この一件はライブ配信をきっかけに、ピノコニーの多くの若物たちに模倣されるようになる。彼らは街中で次々に「トウファは銀河で一番」と叫び、フレーの保守的な文化理念を批判した。

現在、オーディションではいかなる形式のコスプレも禁止されており、特にファミリー、スターピースカンパニー、仙舟同盟などの公的人物の模倣は厳禁とされている。

3. 気のう砲弾事件。

11回セレモニーオーディションで、アンガス選手は自分の会社のファストフード製品を無料で宣伝しようと、モコモコしたピエロの衣装の中に高圧縮された気のうを8個詰め込んでステージに上がった。パフォーマンス時にジャンプをして安全弁を開き、すべての気のうを膨らませて上空に飛んで製品の広告コピーを表示させるという計画だった。しかし操作中、気のうが低品質だったため5個作動せず、そして残った3個のうち1個がピエロの衣装の尖った部分に刺さって空気漏れを起こしてしまう。アンガスは安全弁が開いた瞬間、砲弾のように「スラーダ」のボトルに突っ込み、そのボトル口に挟まってしまった。

引っ張り出された彼は、もはや泡を吹くだけだった。

大会出場時は奇抜な衣装を着用しないこと。オーディションの規定に合わない衣装を着用している場合、主催者のチェックを受けなければ会場に入れない。

……

80. 人食いミーム事件。

12回セレモニーオーディションで、ブズ選手は人間に変装させたミームを連れて会場に入り、ライブ配信中に「自分をミームに食べさせる」というパフォーマンスを披露すると宣言した。審査員が止める前に、ミームがブズを呑み込むシーンがライブ配信でピノコニー全土に伝わり、青少年たちのトラウマとなった。ブズはパフォーマンスの最後にミームの口からはい出てきたのだが、この事件がもたらした深刻なマイナスの影響を払拭することはできなかった。

「自分をミームに食べさせる」というパフォーマンスによって生じた強烈な恐怖感情が、非常に危険な記憶域ミームを引き寄せた。ハウンド家当主タン・ワイアットが自ら出向いてそれを抹殺した。

記憶域ミームを連れてステージに上がらないこと。野生のミーム、飼い慣らされたミーム問わず、会場への持ち込みは禁止とする。