『観察日誌:6日目』
とある実験に対する簡潔な記録。実験の観察対象は停雲と名乗っている。
『観察日誌:6日目』
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観察対象は意識が混沌としている中、ごく稀にではあるが、簡単な質問に対してなら答えられるようになってきた。
現在の観察による結論として、対象は複雑な言葉を組み立てることができるが…短い周期で極めて強烈な痛みに襲われるため、その思考は中断され、一時的に意識を失うこともある。
関連する情報をミス・ルアン・メェイに報告し、対象の感覚を麻痺させたうえで質問を続けるか決めてもらう必要がある。
訂正:しばらくの間、観察対象の苦痛をできるだけ和らげるために、その感覚を麻痺させることにする。肉体の修復に進展があるまで、これ以上質問を行わないよう注意。
観察対象がすでに回答した質問の記録は以下の通りである:
1. 名前を教えてください。
対象は質問されてから3秒以内に「停雲」と答えた。
2. あなたの身に何があったのですか?
対象は強烈な痛みによって再び意識を失うまで長時間思考していた。
4回の質問の後、対象は答えがわかってはいるが、意識を保てる時間が限られているため説明ができないのだと確信した。
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