キャラLv.80で解放
ハードボイルド探偵物語集(エピローグ)ここまで書き進めるうちに、断片的ではありますが、ようやく過去の記憶が蘇ってきました。ウェンワークの雨林で原始的な生き物に変わり果ててしまう前から、不死途氏の名前はたびたび我々の会話に登場していたのです。
「生存の心得?俺たちにそんなものがあったのか?」焚き火の傍らで、「ボウマン」ロビン・フッドがかつて私にそう尋ねました。
「ヒーローになりきること。それが本物のヒーローへと至る近道である——これが第1条です。皆様はほぼ完璧にできていますね」と私は答えました。
「それ、この場で作った話じゃないだろうね?」と「ポエマー」コールがそう言って茶々を入れてきます。
「バンドマン」クレヤは高笑いしながら肉を頬張り、若いカップルのリナとクレスは声を重ね、銀河の各地から集めてきた歌を朗々と響かせていました。
「たしかあの方は、こうも言っていたはずです…第2条、仲間を大切にせよ。たとえそれがロクでなしの連中だとしても」私がそう言うと、彼はこう切り返してきました。
「じゃあ、そのロクでなしたちのボスは?ロクでなしの中のロクでなしってことにならないか?」
「おや、ロビン・フッド様、もしやまたあの地獄の訓練をご所望ですか?」
「勘弁してくれ…」ロビン・フッドは両手を挙げます。「明日も厳しい戦いが待ってるんだ」
不意に、場が静まり返ります。
やがてコールが真っ暗な夜空を見上げ、ぽつりと呟きました。「なあ、すべてが終わったらさ、みんなの伝記を書いてもいいか?」
「でしたら、この言葉を忘れずに入れていただけますか」私は彼の肩をぽんと叩き、こう続けました。「生存の心得 第3条——長き夜の犠牲は、明日を手に入れるための代価である」
「ああ、覚えておくよ。その言葉を伝記の結びにするのはどうかな?」
「ふむ、あの方が第4条を思いつくかもしれませんから、少し待ってあげましょう。もっとも、その時まだ彼が生きていればの話ですが」
……
これまで語ってきた心得は、探偵が事件を解決するための心得であると同時に、かつて彼が私たちに授けてくれた教えでもあったのです。
長く探偵を続けていても、彼の身には今なお過去の痕跡が色濃く残っている、ということです。
つきましては、「その1」で記載した備考を次のように修正します。
※①復讐の誓いが未だ果たされていないため、彼は懐中時計の刻む時間が少しでも遅くなることを心から願っている。
※②犠牲になった仲間たちを忘れないため、彼は夢の中で何度も過去を追体験している。
※③冷蔵庫の中で眠ることで、夜の幻肢痛を和らげ、そして悪獣を屠るその時を待っている。
思えば、彼がしてきたことはずっと変わっていません。心に抱く正義のために闇を追い、それは罪に罰を下すその時まで続くのでしょう。
今彼がこうして生きながらえているのは、敵がまだ死んでいないからです。
不死途氏は死への狭い道を駆ける、運命に屈しない獣——
生存の心得 第4条「時間を辿って未来を追うのだ。過去を償えるその時まで」