単体攻撃 | Energy Gen 20 | Break 30
指定した敵単体にセイレンスの攻撃力50%分の物理属性ダメージを与える。
Lv.1倍音、暗流の先の斉唱
全体攻撃 | Energy Gen 30 | Break 30/hit
100%の基礎確率で敵全体の受けるダメージ+10%、3ターン継続。同時に敵全体にセイレンスの攻撃力70%分の物理属性ダメージを与える。
Lv.1絶海の渦潮、呑魂の舞曲
全体攻撃 | 消費EP 110 / Gen 5 | Break 60/hit
セイレンスが結界を展開し、敵の攻撃力-15%、防御力-15%、敵全体にセイレンスの攻撃力120%分の物理属性ダメージを与える。
結界の中にいる敵が持続ダメージを1回受けるたびに、セイレンスはその敵に自身の攻撃力32%分の物理属性持続ダメージを与える。このダメージは、敵のターンが回ってきた時に、または味方が攻撃を1回行った後に、最大8回発動できる。なお、この効果で発動したセイレンスの物理属性持続ダメージが、さらにこの効果を発動させることはない。
結界は3ターン継続する。セイレンスのターンが回ってくるたび、結界の継続時間-1ターン。セイレンスが戦闘不能状態になった時、結界は解除される。
妨害
味方が攻撃する時、セイレンスは100%の基礎確率でその攻撃を受けた敵に風化/裂創/燃焼/感電状態のいずれか1種類を付与する。なお、まだ付与されていない状態を優先する。
風化/燃焼/感電状態の敵は、ターンが回ってくるたびに、セイレンスの攻撃力10%分の風/炎/雷属性持続ダメージを受ける。2ターン継続。
裂創状態の敵は、ターンが回ってくるたびに自身の最大HP20%分の物理属性持続ダメージを受ける。このダメージの最大値はセイレンスの攻撃力の10%を超えない。2ターン継続。
妨害
秘技を使用した後、前方へ移動する特殊領域を20秒間作り出す。特殊領域内に入った敵は「酔心」状態を付与される。「酔心」状態の敵は味方を攻撃せず、領域継続中は領域に追随する。
「酔心」状態の敵と戦闘に入った後、100%の基礎確率で、敵単体それぞれにセイレンスの天賦と同じ効果を持つ風化/裂創/燃焼/感電状態の中から、2種類の状態を付与する。味方が作り出した領域は1つまで存在できる。
戦闘開始時、セイレンスは必殺技の結界と同じ効果を持つ結界を展開する。結界は3ターン継続する。セイレンスが結界を展開するたびに、SPを1回復する。
A2
セイレンスが必殺技を発動した時、敵に持続ダメージ系デバフがある場合、付与されている全持続ダメージ系デバフが、本来のダメージ150%分のダメージを発生させる。
A4
セイレンスの効果命中が60%を超えた時、超過した効果命中10%につき、自身の与ダメージ+15%、最大で+90%。
A6
1何故、
心は悲しむか
セイレンスがフィールド上にいる時、味方が与える持続ダメージは本来の116%になる。セイレンスが天賦で敵に風化/裂創/燃焼/感電状態を付与する時、100%の基礎確率で、元の天賦効果と同じ、かつ同時に存在可能な風化/裂創/燃焼/感電状態を追加で1つ付与する。
2何故、
潮はさんざめく
結界が展開されている間、軌跡「真珠の琴線」による与ダメージアップ効果が味方全体に適用される。
3何故、
灯は忘らるる
必殺技のLv.+2、最大Lv.15まで。通常攻撃のLv.+1、最大Lv.10まで。
4何故、
時は流れるか
結界が展開されている間、敵全体の全属性耐性-20%。
5髪を梳き、
口ずさむ
戦闘スキルのLv.+2、最大Lv.15まで。天賦のLv.+2、最大Lv.15まで。
6沈みし君、
いずれ帰郷せん
結界が展開されている間、敵のターンが回ってきた時に、または味方が攻撃を1回行った後に発動する、セイレンスの物理属性持続ダメージの発動可能回数の上限が12回になる。またそのダメージ倍率+20%。
キャラクター詳細
スティコシア――酔いと夢が溢れる海辺の街。古き歌声は今も波間に響いている。
海の娘ヘレクトラ、「海洋」の火種を清める黄金裔。濁りし暗流を払い、天外より来たる英雄のために、盛大な酒宴の旋律を奏でる者である。
――まだ閉幕の時ではない。たとえ希望が泡のように儚いものだとしても、波は前へと進み続けるのだ。
ストーリー・1
キャラLv.20で解放
太陽の光が差し込むと、海の呼吸は色とりどりに輝き出す。一日の中でセイレーンたちが最も嬉々とする時だ。
「♫パチン♫」「♫ピチャ♫」「♫プクッ♫」
セイレーンの姫は楽しそうに泡を追いかけている。鼻先にしばらく留まったそれがはじける瞬間が大好きなのだ。それは、その瞬間、波が七色の光を描き出すから。
果てしなく広がる珊瑚礁の中で、セイレーンたちが歌っている。そこの真珠は内側から光るかのように輝き、バイオリンの弦を飾るのにぴったりだった。
ヘレクトラの指先から流れる音楽が、穏やかな水流のように、メーレを堪能する仲間のもとへと流れていく。
「♫見てください、華麗で賑やかな船の上、人間たちはさぞかし楽しんでいるのでしょう♫」
「♫あなたが救った想い人、彼の声はきっとあなたの心の中で響き続けていることでしょう♫」
「♫高貴なる姫君、憂いを知らぬヘレクトラ様、あなたはどこへ向かうのでしょう?北の冷たい氷の海?それとも広い人間の世界?♫」
酩酊したセイレーンたちが彼女の周りを取り囲む。好奇心が揺れ動く海藻のように絡みついていった。
「♫俗世は騒がしく、極地は冷たい……♫」
彼女は優しく泡に触れながら、微笑んで首を横に振った。
「♫ワタシが望むのは、歌声を響かせられるあの場所――♫」
それを言い終える前に、深海から警戒の角笛が鳴り響き、宴は突如として終わりを告げた。
セイレーンたちはヘレクトラと共に深海へと泳ぎ戻る。海の女王が民にこう告げた――
「♫暗黒の潮が澄んだ海流を穢してしまう。霊水の波を動かし、穢れた水を大きな盃へと導きましょう。『紛争』の光が暗黒の潮に抗うその時まで……♫」
「♫海の寵児、あなたは何を願っているの?暗黒の潮が引いたら、スティコシアへ向かうといいわ。陸の民があなたのために宴を開き、歌を捧げるでしょう♫」
1日、また1日とヘレクトラはセイレーンたちを率いて、だんだんと暗くなっていく海を行き来し、濁った海流を清めていった。
「♫みんな、諦めないで。酔いしれる輝きのために♫」
「♫みんな、忘れないで。遥か彼方へ泳ぎ進むことを」♫
「♫みんな、前を向いて。絢爛な希望が揺らめいている♫」
来る日も来る日も、ヘレクトラは歌い続けた。眷属である彼女は、この海を守ることこそ持って生まれた使命だと、深く理解していた――
ヘレクトラは深淵へと泳いでいく。その歌声は漆黒の深海に輝く唯一の光となった。
ストーリー・2
キャラLv.40で解放
いまや果てなき珊瑚礁は死の海と化していた。
暗黒の潮の造物に初めて剣を突き立てた時、彼女の両手は小刻みに震えていた。
百回目、朽ち果てたかつての仲間と向かい合った時、輝きの失った弦はいとも容易く敵の喉を切り裂いていった。
千回、1万回…バイオリンを飾っていた真珠が零れ落ち、海面に散らばった。深海は血の赤に染まっていた――
静寂に包まれた宮殿の廃墟には、ヘレクトラと彼女1人きりの宴だけが残されていた。
「♫陸に住む人々は、永遠に終わらない宴を開き、我々の犠牲に報いてくれるだろう……♫」
物悲しい歌声が響いていく。「紛争」のタイタンが暗黒の潮に立ち向かう使命を引き継いだ時、歓喜するヘレクトラは初めて薄暗い海から1歩を踏み出した。
真珠や貝で身を飾り、尾びれを2本の足に、泡を身を包む華麗な衣装へと変えた。荒波はもはや頭上で怒り狂うものではなく、彼女の足元でうめくものとなった。
海鳥が海の上を旋回し、悲しげな鳴き声を上げる。押し寄せた怒涛は一瞬で静まり、また引いていった。
まるで泡がはじけた後のように。そこには何も無かったと言うかのように。
歩くたびに心を刺す痛みに耐えつつ、彼女は約束の地スティコシアへと向かった――
その大地には鼻がもげそうになる空気、山と積み上がる骸骨、そして争いと戦火が満ちていた…けれど、神が約束した宴だけは、どこにも無かった。
「ワタシは…セイ…レン……」
淀んだ空気の中で響く彼女の声は、かすれてしまっていた。
人間の言葉を学びはしたが、やけに喧しいその言葉では歌を紡ぐことができなかった。そして次第に、言葉の代わりに沈黙を選ぶようになった。
「錆びることのない剣」、「冷酷なバイオリンの音」…彼女と共にあるのはいつも、肉体を貫く旋律と、血を流す命の悲鳴だった――
海から訪れた剣士は、音楽の才に恵まれているが寡黙で人と距離を置き、決して心の内を明かさないと言われていた。
こちらに差し出そうとする手を彼女はいくつも見た。その手の中には、彼女を消し去ろうとするものもあれば、助けを差し伸べようというものもあった。それらは1つひとつ、明かりを灯していったが、その火はまた1つ、また1つ、と消えていってしまった。
「セイレンス、いったいどこへ向かっているんだ…?」
その問いに彼女は答えられなかった。
いつしかバイオリンは2振りの剣となり、弦には鋭い挽歌だけが流れるようになっていた。
いつの日か自分の憧れを理解してくれる誰かが現れることを願っていたが、彼女は俗世も物寂しい深海とたいして変わらないことに気づき始めた。
誰もが迷子の魚と同じ、そして誰もが盲目的に光へと泳いでいた。
ストーリー・3
キャラLv.60で解放
「セイレンス、僕に従うなら、お前が望むものをすべて与えてやろう」
彼女の小さな体から発せられる力強い声が印象的だった。だが、それでもなおセイレンスは心に懸念を抱いていた――
「彼女の火も…いつか消えるのだろうか。」
その懸念に反して、その火は深海に差し込む天の光のように燃え盛り、消えることはなかった。
人々は見た――青い烈火が無数の戦場を駆け、幾度となく凱旋した光景を。巨大な波が炎の如く野原を焼き尽くし、波と風を呼ぶ剣旗が鯨となって血の雨を呑み込む様を。
彼女は熱き鼓動を、激しい戦鼓の音を、雨のような足音を、潮の如き悲しみを耳にした…歌のように純粋な心の声は黄金の血と共に流れ、かたく閉ざしていた彼女の心を揺さぶる。
カイザーが約束した宴の時が近づいた。まだ若い織る者は、子供たちと耳元で囁きあい、果たしてあの淡白な剣旗が宴に参列するかどうかに興味をひかれていた。
人々の歓声の中、織る者はつま先立ちをして、息をのんでこの瞬間を目に焼き付けようとした。
剣旗が纏う、わずかに裾を引く金色のスカートは、まるで陽光に輝く透き通る波のように美しかった。
数々の明かりに照らされた夜、人々は再び海の輝きを目にしたのだった。
「彼女はこの世で失われた入り江のために歌ってほしいという、僕の願いを聞き入れた」
君主の言葉が終わると、オーケストラに照明が当たり、光と人の影が彼女の目の前でさざ波のように揺らめいた。
杯には泡が揺れ、音楽が流れる。群衆の中で彼女は、自分の声が空しい反響でなくなったことに気が付いた。
ラビエヌスとセネカが打ち合う剣の音が拍子を刻み、ヴァージニアの想いを秘めた詩が拍子にのる詞となった。
トリスビアスが微笑めば、軽やかなコーラスとなり、アグライアが舞えば、それは最も美しく、人の心をうつハーモニーとなる……
「剣旗卿、この戦に勝利したら、お前は何がほしい?」
いつも冷静な君主も今はほろ酔いになっているようだ。
セイレンスはメーレを飲み、君主に囁きかける。宴の会場の片隅に笑い声が響いた。
なんと心地よく、なんと明るい場所だろう。
世界が回っている。グラスがぶつかり合う音、氷がグラスの中を転がる音……
ずっと沈黙を貫いていたセイレーンの歌声が、メーレのように零れ落ちた——
「♫宴の灯りのなんと眩しいことか
盃を交わすたび…
新しい海がワタシたちの間に広がっていく……♫」
ストーリー・4
キャラLv.80で解放
「火追い」こそが、求めていた永遠の宴だと彼女は思っていた。
しかし、それは喪失の道のりで、光もまた泡沫のようにはじけて消えてしまった。
カイザーの剣である彼女の剣が、先から血を滴らせない時は無かった。
だが、カイザーの熱い黄金の血が彼女の指先に落ちたあの時、セイレンスは再びかつての孤独な深海へ落ちたような気がした。
「ふっ、なぜ…追い求めていた灯を、この手で消さなければならないのだ……」
千年にも及ぶ苦しみに酔いながらも、七色の淡い輝きを放つ泡沫から逃れようとしたが、砕け散った過去の欠片はまるで海藻のように絡みついて離れることはなかった。
「コトン……」
駒が、落ちた。駒を手にする君主は平然としているように見えるが、王冠からのぞく不安定な炎の揺らめきが、心の内を映し出している。
「チェスのやり方などわからない」
「僕が教えてやろう」
慣れない手つきで駒を進める。これもまた1種の殺し合いに過ぎないのだろうと、彼女は思った。
「コトン……」
突如として勢いを増した青い炎は、暖かな海流のように彼女を包み込んだ。思うままに駒を進めながら、こう尋ねた――
「いずれ盤上から消えてしまうのに、なぜ駒たちは前へ進み続けるのだろうか?」
「コトン……」
君主は杯のメーレを一口飲むと、満足げに両の腕を伸ばして、感慨深げにこう言った――
「前に進むこと、それ自体が十分に痛快なことではないか?」
……
彼女は千年も待ち続けた。そうして火追いのために新たな世界を切り開いた。けれど彼女にはわかっていた、そこも自分の帰る場所ではない、と。
「魚が求めるのは、やはり棲み処となる海だけだ……」
君主が残した記憶の1ページの中、彼女は美しく澄んだ海へと歩んでいく。
♫パチン♫、♫ピチャ♫、♫プクッ♫…色とりどりの泡が過去の歳月を映し出し、寄り集まっては砕け、砕けてはまた固まるを繰り返す。
「海の寵児、あなたの願いは?」
「セイレンス、いったいどこへ向かっているんだ…?」
「剣旗卿、お前は何がほしい?」
……
故郷も宴も火追いも…彼女の人生で輝き、そしてすぐに泡となって消えていった…ただ空に響くため息1つきりを残して。
これが彼女の持っていたすべてだった——俗世にも海にも、泡がはじけた跡しか残っていなかったのだから。
「あんなに…美しかったのに……」
「♫……♫」
「♫……♫」
「♫……♫」
オンパロスの夜明けが訪れようとしている。
最後の泡がはじける前、彼女は微笑んだ。言い尽くせない想いを…すべて歌い切ったかのように。