最後のカードがオープンされた。落胆、怒り、諦め、落ち着き…様々な感情が相手プレイヤーたちの顔に浮かび上がる。
「せっかくテーブルに上ったんだ、もっとスリルを味わわないか?」
彼はオールインに出た。負けを認めた者は罵りながらテーブルから降り、彼の大敗を期待する。
勝ち負け、名声、運…いずれも気に留める必要はない。彼が夢中になるのは、命が震えるその瞬間だけ——
深淵か天国か。決めるのはただ一つの選択。
チップが投げ出され、嘆声が上がる。ゲームが終わり、幻想的な満足感が一瞬込み上がっては消えた。
「オール・オア・ナッシング。けど僕に選択できる自由はない……」