魔法少女のリボンヘアピン。キャンディーカラーをしており、まるでキラキラと輝く勲章のようだ。
取引を目前に控え、商人は異様なほど神経を尖 らせていた。同行するボディーガードもまた、人混みの中に紛れるわずかな不審の兆しを逃すまいと目を光らせている。
華やかな街で潜入捜査を遂行するには、すべての魔法少女が高い警戒心を保たねばならない。
「魔法少女急襲劇団にとって、これくらい朝飯前よ」
アイドルの衣装を脱ぎ捨て、綺麗にセットされていた髪をあえて崩すと、魔法少女たちは瞬く間に人混みへと溶け込み、計画通り都会の一部となる。
薄暗い街灯の下、パステルカラーのヘアピンが互いを識別する目印だ。
「カフェ、スタンバイ」「交差点、スタンバイ」「ターゲットを確認」
……
「私たちは、すべての美しいものを守る使者!」
「おい、あの怪力美少女どもだ!」混乱のなか逃げ惑う容疑者の1人が、今にも泣き出しそうな顔で言った。「——ああ、兄貴まで捕まっちまった!また、あいつらの手柄に!」
いつしか、ヘアピンは「勲章」としての意味を帯びるようになる。
一部の魔法少女は任務を完了した後、それにビーズを追加する——ファッション性を損なわない、そんな栄光の形が彼女たちに好まれたのだ。